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「 いきものがたり 」 まとめ 2 (第1回〜2回) [いきものがたり]


第 1 回 2015年11月3日


『第1回』

今日の1枚。
いきものがかり、3人。


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吉岡との出会いは、厚木市内の市営スタジオの廊下。今は無いが、当時、図書館に併設された簡易的な防音スタジオが市民に安価で貸し出されていて、お金の無い高校生はそこでバンド練習をするのが常だった。

椎名林檎さんがブレイクをした頃だった。椎名林檎さんのコピーバンドをしたいと、友達連中で盛り上がる。しかし肝心の女性ボーカルがいない。当時の母校はバンド活動が盛んで、相談する仲間はたくさんいた。すると友人のバンドでボーカルをしていた”吉岡くん"の妹が「歌がうまい」という。


スタジオで待ち合わせた。早めに着いた自分は、廊下で座って待っていた。間もなく、ベーシストの男の子がくる。彼とも、その時はまだそれほど親しくなかったので、ふたりでぎこちなく雑談をしていると、廊下の向こうから、とんでもなく明るいオーラを放った女の子がやってきた。


突然、親しげにベーシストの男の子に挨拶をするので「知り合いなの?」と聞くと「いや、この子だよ。吉岡くんの妹。この子が、ボーカルの聖恵ちゃん。」「あ、君が。」それが、吉岡聖恵だった。


「はじめて吉岡さんの歌声を聴いたとき、運命を感じましたか?」などと訊かれることがたまにあるけれど、そんなにドラマチックな感情はなかった。ただ、とっても明るい子だなぁということと、とっても歌がうまい子だなぁということ。


しばらくして彼女を、いきものがかりのボーカルに誘ったらいいんじゃないかと思うようになる。歌が上手いことはもちろんだけれど、何よりその天真爛漫なキャラクターが、水野と山下の二人に挟まれた真ん中に、とても合いそうな気がした。


いつもの帰り道。たしかもう、夜だった。相鉄バスの一番後方の席。横並びに座った隣に、山下がいた。”聖恵ちゃん”という女の子のことを、そのとき初めて話した。


「吉岡くんの妹が歌がうまいんだよ。誘ったらいいと思うんだ」「おお、いいじゃん。誘ってみれば」そんな会話。すると驚くことにその瞬間に、当の本人である吉岡からメールが来た。「水野くん、路上ライブをしているって聞きました。よかったら一度、私も一緒に歌わせてくれませんか?」


16年もやっていると「ああ、今、人生が変わるのかもな」と思う瞬間に何度か出会う。最初にそれを感じたのは、この時だった。誘おうという話をしていたまさにその瞬間に、吉岡からのメール。その驚きを強く覚えている。でも、山下はその日のことをあまり覚えていないらしい。


吉岡加入前に、よく水野と山下で路上ライブをやっていた相模大野駅の近くには、女子高がある。その女子高で文化祭があった。年頃の男子高校生だ、山下と友達数人でそこに遊びに行くことになった。そのなかには吉岡の兄もいた。文化祭帰りに、いつもの流れで路上ライブをやることになる。


吉岡の兄が「うちの妹と一緒に路上ライブをやるって話になってるんでしょ?今から、あいつを呼ぼうか?」電話で妹を呼んでくれた。しばらくすると赤い縁のメガネをした吉岡がやってきた。山下はそのときが初対面。そのメガネの印象が強いと言う。吉岡は「精一杯のおしゃれだった」とのこと。


その場でキーを合わせ、ゆずの「夏色」を歌った。このときもドラマティックな感覚はなかった。山下も、別に何とも思わなかったという。吉岡からも 「ただ楽しかった」くらいの感想しか聞いたことがない。あえて言うなら、不思議なほど3人になったことが”自然”ではあった。


今から思えば3人であることが、初めて一緒に演奏したその日から"自然"であったことのほうが"特別"だったのかな、とは思う。安い芝居じみた言い方をすれば「まるで最初から、そうであったかのように」

ちょうど16年前。99年11月3日。
僕らは、やっとスタートラインに立った。


今日はここまで。乱文、お粗末様でした。次回は『第2回』。

結成16周年を迎えました。

これからもよろしくお願いします。いつも、ありがとう。  

 

 

 

 リーダー昼のツイート 

   いきものがかり、サプライズ失敗。  

 

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   この日行われたサプライズイベント
   こちらはまた別の記事にて

 

 

第 2 回 2015年11月6日 

『第2回』

今日の1枚。

高校時代の路上ライブ。

 

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吉岡が加入して3人となってからの路上ライブは毎週水曜日、本厚木駅の北口、タクシーロータリー前。スマホはまだない。ネットが今ほどは普及していなかったから、ホームページで告知...なんてこともない。いつも同じ時間に、同じ場所でやる。それがいちばん手っ取り早い。


練習場所は母校の校舎などで。ひとり、別の高校にいた吉岡は、よく放課後に兄のジャージを借りて、水野と山下がいる学校へ紛れ込んでいた。


先生にみつかり、こっぴどく叱られたこともあった。「君、本当にうちの学校の子か?クラスは?」吉岡「2組です」「うそつけ!うちの高校のクラス分けはA組、B組…のアルファベットだ!」吉岡「ああ!すみません」「君、吉岡の妹だろ!知ってるんだぞ!」知ってるんかい、と思った。


吉岡が加入してからは客層も大きく広がり、学生も、スーツ姿の大人たちも、家族連れも、誰もが立ち止まってくれるように。学校帰りに3人とも学生服のまま路上ライブをしていたので、その姿も珍しかったのだろう。その頃から今まで、あまり客層に変化がないことは、ありがたいし、誇りだ。


路上ライブのエピソードには事欠かない。本厚木駅は夜9時からが露店の時間と決まっていたらしい。9時になると「たこやき屋のオヤジ」が軽トラでやってくる。「邪魔だ!」と大声で怒鳴りながら。演奏するメンバーとお客さん。その間のわずか数mの空間に軽トラを停める。さえぎるように。


「誘っていないけれど、なぜかコラボレーションをしてくる人たち」も多かった。演奏の横で踊り始めたり、自分たちの目の前に突然ヘッドスライディングをしてきたり、ボンゴを持ってきて曲に合わせて夢中で叩きはじめたり。マイクを奪って歌おうとする酔っ払いのおじさんも多かった。


そういうときは焦ってしまったらいけない。トラブルが起きたと思って客が逃げてしまう。ユーモアを交えてうまく対応できれば、逆に「おもしろいことが起きている!」とお客さんが集まってくる。ずいぶんと鍛えられた。酔っ払いのおじさんと絶妙な掛け合いをするのが、吉岡はうまかった。


とにかく楽しかった。音楽の道に憧れはあれど、いきものがかりでプロになろうなどとは、3人とも高校時代は考えていなかった。例えるならそれは、学校の部活動のようなもの。ただただ、楽しかった。そんななかで少し意識に変化が生まれるできことが訪れる。


路上ライブに、某有名番組のスタッフを名乗る大人が訪ねてくる。新人を売り出すオーディションがあるから君たち受けてみないか。今から考えれば、怪しいことこの上ない話だが、なにせ世間知らずの田舎の高校生だ。「これは世に言うスカウトってやつかっ!」と、びっくりしてしまった。


ノコノコと行ったこともない東京のど真ん中?赤坂見附のオーディション会場に3人で出向く。2曲ほど歌ったと思う。自分が演奏中、緊張で無表情だったようで「君はやる気があるのか?」と審査員らしき男性に怒られた。不本意でムスッとした。今でもその時のことをメンバーにからかわれる。


それでも「合格です」と後日、連絡がくる。勢いで受けたがさすがに呑気な高校生でも、いよいよ「あれ?これはやばいんじゃない?俺ら、騙されてない?」本当のところを言うと騙されていたのか、ちゃんとしたものだったのか未だにわからないのだが、このまま話を進めるのはよそう、となった。


そのオーディションがきっかけとなり、将来について話すようになる。誘われた話自体はあやしかったが、それまで楽しいだけでやっていたものの「先」が、もしかしたらあるのかもしれないと思ってしまって、急に3人とも、戸惑ってしまったのだ。まだ10代だ、無理もない。


吉岡と水野は音楽の道に進もうと当時から考えてはいたが、それが「いきものがかり」で、とは思っていなかったと思う。その頃の「いきものがかり」は、とにかく”楽しい”だけだった。真剣に考えれば考えるほど、軽はずみな気持ちで、この道の先を進んでは行けないように、そのときは思えた。


高校生なりに話し合った結果、このグループは楽しいままの思い出として、高校のうちにおしまいにしよう、解散しようとなった。それこそ夏の大会で引退をする部活動のように。水野や山下はもう3年生になっていて、受験も控えていた。地元の駅で解散ライブをすることになった。


解散ライブのことはよく覚えている。本厚木駅の広場に100人か200人か、高校生3人の路上ライブにびっくりするほどの人が集まった。いつの間にか地元では少し名を知られているようになっていた。充実感もあったし、高校時代の素敵な思い出となった。ああ、楽しかった。そう思っていた。


解散ライブのために3人で配った手作りの宣伝用チラシには、格好をつけてこんなセリフが大きく書かれている。「これを逃すと、もう会えない」まさか、想像していなかった。それから15年後の今も、たくさんの人に会いまくっているだなんて。

 


今日はここまで。乱文、お粗末様でした。次回は『第3回』。

 

おまけの1枚。

15年前の解散ライブのチラシ。

もう会えない…てか、すごく会えてる。

 

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 リーダー翌7日朝のツイート

  「いきものがたり」今後はだいたい1週間に1回くらいの頻度で、
  のんびりやっていきます。

  どこまでやるかは未定。さすがに、みんな飽きてくるんじゃないかな?と思って笑。   

 

 

以下、私からのおまけ。。。

 リーダー11月3日 打ち上げツイート 

 

   結成16年の、なんとかがかりのひとたち。   

 

 

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次回まとめ 3 は第3回から 

 

 


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コメント 2

Nabetti

「いきものがたり」のまとめ、大変読みやすくて嬉しかったです。
Twitterだと、どうしても逆から読んじゃいますから。

改めて、リーダーのいきもの愛を感じましたが、
ヨシゾーさんのいきもの愛も大きいですね。

超いきものばかりが発表されたので、次はライブの発表が待ち遠しいところですが、達郎さんのライブレポを拝見して、来年のチケットを是非取りたいと思いました。

余談ですが、今年のミスチル未完ライブレポも読んでみたかったです。ミスチルの、特に桜井さんのスケールに圧倒された素晴らしいライブでした。
by Nabetti (2015-11-11 10:32) 

ヨシゾー99

なべっちさん、こんにつあーー!!
数字も外してみました♬
ありがとうございます!
ベストを引っ提げたツアーが来年あるのは間違いないですよね。
楽しみです。
達郎さんは4月までのロングツアーなので、次回は
2017年春からかな? とおっしゃってました。
ミスチルのレポも、時間があれば、、、けど、まだ
今年のレポートも中断してますからね。。(^^ゞ



by ヨシゾー99 (2015-11-12 14:02) 

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